篠井地区市民センター2F図書室の入ってすぐのところに篠井生まれの童話作家・千葉省三(ちばしょうぞう;1892-1975年)コーナーがあり、生誕百周年記念(1992年)の新聞記事や資料が置いてあります。
私はこれを見るまで千葉省三のことは知りませんでした。「えっ、そんな人がいたの?篠井じゃ話題になったこともないけどな~」というのが正直な感想でした。ちょっと気になったのでどういう人なのか調べてみました。
ネットで検索すると多数の記事がヒットし、かなり文学界に影響力があった著名人であることが分かります。ただ、出身地は鹿沼市楡木(にれぎ)となっており、鹿沼市が千葉の児童文学での功績をたたえて千葉省三記念館まで設立していることも分かりました。(一体どういうこと?)
おいたちに関しては、省三は母親の出身地の篠井で生まれ、当時、父親は篠井の小学校校長をしていたこともあって一家で篠井に住んでいたようです。2歳の時、父親の転勤により今市に移り住み、6歳から21歳まで鹿沼市楡木で過ごしたとなっています。
その後上京し、童話出版社勤務を経て自分で童話作品を書くようになり、児童文学界では名の通った作家としての地位を確立していきます。千葉の発表した作品は、自身が子供時代を過ごした鹿沼が舞台になっている作品が多く、これもまた「千葉省三は鹿沼出身」と紹介される理由の一つにもなっているようです。
篠井地区市民センターの図書室にも千葉省三の本が多数ありますので是非手に取って読んでみて下さい。
(あとがき)
千葉省三は童話出版社(コドモ社)で編集責任者をしていた頃に「童話」という雑誌を創刊し、若手作家の作品を積極的に掲載していたそうです。その中には詩人の金子みすゞ等も含まれており、千葉のおかげで才能を見出された作家がかなりいたということです。(私は千葉省三は知らなかったのですが、金子みすゞは知っていました。たしか大震災があったとき「こだまでしょうか?」という詩がTVCMで流れていましたね。)