私は週末、健康のために近所の農道をウォーキングしています。いつもある場所に差し掛かると、どこからともなく綿あめのような甘いにおいがしてくるのです。とてもいい匂いだったので毎回そこを通るたびに発生源をつきとめようとしたのですが、見つけだすことは出来ませんでした。ところが先日、ひょんなことからその場所をつきとめました。最初に気づいてからすでに3年くらい経過しており、本当にどうでもいい話なのですが、何だかすごくうれしくて、誰かに話したい気分になったのでブログにまとめておきます。
匂いを最初に嗅いだのは3年前の秋ごろでした。匂いの場所はちょっと小高い木が生えている雑木林で、木の種類もいろいろあり、匂いもほんのわずかだったので、発生源を特定するには至りませんでした。その後、あまり気にも留めていなかったのですが、季節が変わっても相変わらず、微弱なにおいがいつもでており、ずっと頭の片隅に残っていました。
木の専門家にでも聞けばよかったのでしょうが、どう説明したらいいのか分からなかったのです。どの木から匂っているのかそれすら分からなかったので説明のしようがなかったのです。ところが、ある日、私が勤めている会社の敷地内で同じ匂いを偶然嗅いだのです。聞けばその木は「桂(かつら)」という木で、昔から香木として有名だというのです。
ネットで調べたら桂の木は葉っぱはハート形をしており、10m以上の巨木になるそうです。樹皮はちょっとヒノキの皮の様で、何枚もの皮をまとっているような感じです。次のウォーキングの時に桂の木があるかどうか調べたら、何本かの木が整然と植えられているのを発見しました。3年間ずっと疑問に思っていたのが解消した瞬間でした。
ネットの説明では、桂は日本原産の木で学名もKatsuraと言うそうです。一説では名前の由来も動詞の「香(か)づる」(香りがする)が変化して「かつら」になったという説もあるようです。甘い香りは1年中するようですが、葉っぱが黄色に変化する秋ごろが一番匂いが強くなるとも書いてありました。確かに私が桂の木の匂いに気づいたのも秋ごろだし、まさにその通りでした。
毎回同じ道をウォーキングしていても、色々な花が咲いたり、匂いがしたり、風の柔らかさが変わったりと、自然の変化を肌で感じることが出来ます。ささいな話なのですが、このことで以前より自然に対して愛着を感じるようになりました。